大会長挨拶
この度,第29回日本作業行動学会学術集会を2019年6月8日(土),9日(日)
の2日間にわたり,大阪保健医療大学で開催させていただくことになりました.
我が国が新元号を迎える時期に,日本作業行動学会もさらなる発展に向けて
一般社団法人として新しいスタートを切ります.このような希望に満ちた
よき年に,日本作業行動学会学術集会の大会長を拝命し,大変光栄に存じて
おります.
本学術集会のメインテーマは「人間作業モデルの近未来~最新の知見~」です.近未来の一般解はありませんが,現在からあまり遠くない未来を指しています.その近未来に私たちを取り巻く環境は,人生100歳時代,多様性を尊重したダイバーシティ社会,そして,シンギュラリティを迎えた新しい世界へと移り変わります.AIが発達していく近未来のひとの暮らしや価値観,役割はどう変わっていくのでしょうか.作業の専門家である私たちが近未来の社会の中での役割を果たすために,今から遠くない未来のひとの暮らし方を考えていく必要があります.人間作業モデルの最新の知見を踏まえて近未来のひとの健康に貢献する.本学術集会を通じて,人間作業モデルと作業療法の近未来をご想像いただけるきっかけになれば幸いと考えております.
本学術集会では,特別講演にはウェルビーイング研究のトップランナーである慶應義塾大学大学院の前野隆司先生をお迎えして,「AI時代のひとの暮らし方~生活や価値観はどう変わるのか~」というテーマでご講演いただきます.また,最新の知見を集めたスペシャルセッション,ワールド・カフェ形式で事例を検討するMOHOカフェ,人間作業モデルと新たな学問領域である幸福学を考えるシンポジウムおよび会長講演を企画しており,メインテーマをカバーするプログラムを作成しました.また,ナイトセミナーでは近日翻訳版の発刊が予定されている人間作業モデル第5版のあたらしいところを学ぶ企画を用意しております.もちろん,学術大会の基盤である口述発表とポスター発表を募集しております.奮ってご応募ください.本学術集会が会員の皆様に満足していただける会になりますよう準備をしております.
最後に,初夏のひと時,2025年万国博覧会の開催が決まり,喜びに沸き立つ大阪にお出かけいただいて,学術集会を盛り上げていただけますよう,お願い申し上げます.
井口 知也 (大阪保健医療大学)